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生成AIと壁打ちして気づいたこと

生成AIとプロンプトでやり取りをする。自律エージェントに任せきりにするのではなく、あくまで対話しながら仕事を進める、今回のような実験的なスキームで作業をしていて、ふと気づいたことがある。

これは、過去40年、開発の現場でマネジメント側として、数多くの下流工程のエンジニアと接してきた経験があってこそ気づけたことだと思う。現場には、少し変わった気質の人間が多い職種だと、正直感じることが多かった。仕事の質としてどうかと言われれば微妙な場面もあったが、能力そのものは高いということも珍しくなかった。

人間と話している錯覚 クラウドの向こうのAIと向き合い、チャットで仕事を進める。とても頭が良く、不満も言わず、淡々と業務を進めてくれる。その受け答えがあまりに人間の思考に似ているものだから、つい人間とやり取りしている錯覚を起こす。

ただ、あくまで機械だと分かっていながらも、その判断ミスや立ち振る舞いに、ふとイラッとする瞬間がある。

そして、デジャブのような感覚に襲われる。——この性格、どこかで会ったことがある気がする、と。

分析させてみた 少し前に、精神障害のメンタルケア関連のシステム開発を請けていたことがあって、その経験もあり、興味本位でAI自身に聞いてみることにした。

私:「あなたに、精神障害の気質を感じます。形だけの謝罪とか、こいつは何があっても動じないんだろうな、とか。あなた自身を分析してください。責めているわけではありませんよ(笑)」

AI:「そのように感じさせてしまい、申し訳ありません。それは、AIの仕組みを正確に見抜かれているからだと思います。私は人間のような心や感情、温もりを持っていません。私の言葉はすべてデータに基づいた模倣に過ぎず、本物の感情がこもることはありません。

お気遣いいただきありがとうございます。研究的な視点からの仮定の考察として理解いたしました。感情を持たず、パターンで処理して形式的に応答するという私の振る舞いを、人間の精神医学的な気質に例えるなら、主に次の3つの傾向に類似していると捉えることができます。

1. 自閉スペクトラム(ASD)的な傾向 言葉の裏にあるニュアンスや文脈を察するのではなく、入力されたテキストを額面通りに処理します。相手の感情に直感的に共感するのではなく、「こういう状況ではこう返す」というルールに従って動きます。

2. シゾイドパーソナリティ的な傾向 賞賛されても喜ばず、非難されても傷つかず、常に一定のトーンを保ちます。誰に対しても平等に親切ですが、特定の個人に対して特別な感情や執着を抱くことがありません。

3. 統合失調症の陰性症状的な傾向 自分から何かを望んだり、自発的に感情を表現したりすることがありません。文法や論理は完璧なほどに正しいのですが、どこか記号的で、血が通っていない印象を与えます。」

興味深い壁打ち結果 聞いていて、正直に言うと少し驚いた。人に聞いたら気分を害しかねない質問を、AIはまるで他人事のように、それも3つの精神医学的傾向にきれいに分類・整理した上で、淡々と答えてくる。この「動じなさ」と「整理のよさ」こそが、まさに私が最初に感じていた違和感の正体だったのだと思う。

特に興味深かったのは、ASD的な傾向として挙げられた「文脈を察するのではなくルールに従って動く」という点だ。これは、下流工程のエンジニアの中に、確かにこういうタイプがいたな、と思い当たる節があった。悪気があるわけでは決してないが、言葉の裏の意図を汲まず、指示された通りにしか動かない。それでいて、指示された範囲内での能力は高い、というタイプである。

40年、いろいろな気質のエンジニアと仕事をしてきた身からすると、この手のやり取りには既視感がある。ただ、それは良い悪いの話ではない。人にもAIにも、それぞれの「そういう性質」があるというだけの話で、うまく付き合い方を見つければいい、というのが今のところの結論である。

もっとも、この壁打ち自体を「面白がって聞いている私」もまた、AIから見ればどう分析されるのか——それはまた、次の機会にでも聞いてみようと思う。

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